夢現物語
「その方が、姫様達に品定めされたのは、知っているの?」
品定めは桜、若草に和歌で試されたあの日である。
「藤一条の君が、私達の知らないお歌を詠まれたの。ええと、何だったかしら………『君ありと 聞くに心を』だったかしら、あれ、何か、和泉の君はご存知かな………と思ったのよ。」
和泉は、ああ、あれか、とくすりと笑った。
「その歌はね、『落窪物語』の歌で、主人公の姫君に贈られた文に書かれてあった歌なのよ………知っていると思っていたのだけれど、だから姫………いや、藤一条の君は詠まれたのでしょう。」
「落窪?物語よね。え、でしたら、恋物語?きゃあ、素敵。」
品定めは桜、若草に和歌で試されたあの日である。
「藤一条の君が、私達の知らないお歌を詠まれたの。ええと、何だったかしら………『君ありと 聞くに心を』だったかしら、あれ、何か、和泉の君はご存知かな………と思ったのよ。」
和泉は、ああ、あれか、とくすりと笑った。
「その歌はね、『落窪物語』の歌で、主人公の姫君に贈られた文に書かれてあった歌なのよ………知っていると思っていたのだけれど、だから姫………いや、藤一条の君は詠まれたのでしょう。」
「落窪?物語よね。え、でしたら、恋物語?きゃあ、素敵。」