夢現物語
(そう言えば、殿と藤一条は、何処か似ている。)

うんうんとうなっていた。

実は、近いうちに寺に参り出ようと思っていたのだ。
美しい女房を沢山連れて行くのは、その家の自慢とも言えよう。

しかし、美しい女房が、実は娘の異母姉と確信した今、連れて行く気は残念ながら失せた。

(まぁ、良いか。藤一条と同じ時期に此方に移った、和泉や逢鈴を連れて行けば。あの二人だってそこそこ美しいし、教養もある、自慢の女房と言えるであろうぞ。)


さて、それを何故かは知らぬが、こっそりとその情報を和泉が握っていた。
< 87 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop