イケメン部 〜第1巻〜
「彼氏とかできたことないんです…。だ、だから部長の事をそうやって見ることは…」



澪和が言葉を重ねるたびに佐々木の表情は暗くなる。




…部長、ごめんなさい




心の中で何度も何度も謝る。

だが、佐々木は、



「……そっか」



ポツリと一言呟き、



「ごめんごめんっ、僕まで雰囲気悪くしちゃったよ〜、気にしない気にしないっ!」



また元の明るさに戻った。



「澪和ちゃん、高校生の間に目いっぱい恋しときなよ♡」


「……え」


「もう僕は君にはちょっかいを出しません!…まぁ、出さないって言ったら嘘になるかぁ」


「…部長?」


「僕と君は伝統部の部長と部員、ただそれだけ。…さ、みんな練習するよ〜」



パンパンっと佐々木は手を鳴らし、練習を促す。

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