イケメン部 〜第1巻〜
「…部長、本当にもう部室には戻らないつもりなのですか?」



佐々木かすかさず質問をする。



「…そうだね。薙早の荷物も昨日僕が全部届けてあげたんだ。僕たち3年生の荷物は多分、部室には一つも置いてないと思うなぁ」



佐々木は応答する。



「…悲しくなりますね」



桐神は俯いた。



「僕がいなくなっても、次の部長は誠くんなんだから!皆、誠くんの言う事はちゃんと聞くんだよ?」



佐々木はというと、明るい声で皆を元気づけようとしている。

本当は自分が一番悲しいはずなのに。


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