イケメン部 〜第1巻〜
「……おい、御影。窓閉めてくれ」
「断る」
「何でだよ」
「窓から吹き込む桜の花を感じながら弾く琴が、たまらなく気持ち良いからだ」
「……んなこと言ってる場合か。他の部活のヤツがうるせぇんだよ」
「知らん」
「………はぁ、…ったく」
イケメン部はその名のとおり、イケメンが集合している部活である。
なので…
「キャ――ッ!!私、今西条様と目があったの~」
とか
「どうしよっ、御影先輩の琴の音、生で聴いちゃってるわよっ」
とか……
まぁ、とにかく女子たちがうるさい訳で。
「…もう限界だ。俺、一旦部室出るわ。ジュース買ってくる」
てな具合に何時も注目を浴びているイケメン達は女子から逃げているのである。
……ガチャッ
イケメン部の部員の一人、2年の西条永利が部室のドアを開けた瞬間――
「「あっ」」
ドアの前に立っていた一人の女子生徒とバッタリ鉢合わせた。
彼女の手には何やら小さな紙切れが握られている。
「あっ…、あのっ」
女子生徒はおどおどしながら西条に話かける。
西条は顔をしかめ、
「何?伝統部に何か用でもあんのか?」
不機嫌そうに訊ねる。
彼女は首を縦に「こくっ」と振り、顔を上げて言った。
「あのっ…、わ、私、1年B組の海空澪和って言いますっ。…でっ、伝統部に入部したくてやって来ました…!!」
「………っ!!!!」
西条の動きは一瞬固まり、少し顔を赤らめながら彼女を部室の中へと入れた。
「断る」
「何でだよ」
「窓から吹き込む桜の花を感じながら弾く琴が、たまらなく気持ち良いからだ」
「……んなこと言ってる場合か。他の部活のヤツがうるせぇんだよ」
「知らん」
「………はぁ、…ったく」
イケメン部はその名のとおり、イケメンが集合している部活である。
なので…
「キャ――ッ!!私、今西条様と目があったの~」
とか
「どうしよっ、御影先輩の琴の音、生で聴いちゃってるわよっ」
とか……
まぁ、とにかく女子たちがうるさい訳で。
「…もう限界だ。俺、一旦部室出るわ。ジュース買ってくる」
てな具合に何時も注目を浴びているイケメン達は女子から逃げているのである。
……ガチャッ
イケメン部の部員の一人、2年の西条永利が部室のドアを開けた瞬間――
「「あっ」」
ドアの前に立っていた一人の女子生徒とバッタリ鉢合わせた。
彼女の手には何やら小さな紙切れが握られている。
「あっ…、あのっ」
女子生徒はおどおどしながら西条に話かける。
西条は顔をしかめ、
「何?伝統部に何か用でもあんのか?」
不機嫌そうに訊ねる。
彼女は首を縦に「こくっ」と振り、顔を上げて言った。
「あのっ…、わ、私、1年B組の海空澪和って言いますっ。…でっ、伝統部に入部したくてやって来ました…!!」
「………っ!!!!」
西条の動きは一瞬固まり、少し顔を赤らめながら彼女を部室の中へと入れた。