イケメン部 〜第1巻〜
澪和は首を傾けた。



「……?西条先輩、桜難方面じゃないんですか?」



ここまで澪和を送ってくれたのだ。

彼は桜難方面に家があるに違いない。



――そんな澪和の意見を西条は一言で否定した。



「新厘方面だ」




そう言う彼の目はどこか寂しさを帯び、誰にでもなく助けを求めるような、美しく孤独な感じがした――






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