イケメン部 〜第1巻〜
「…私の声って……」


「相変わらず朝から可愛いなぁ♪傍にいってぎゅーってしてあげたい」



澪和は佐々木の朝からの猛アピールに戸惑い、返す言葉を一生懸命頭の中で考えていた。


…と、



「あのさぁ、一つ聞きたい事があるんだけど」



沈黙を破るかのように佐々木が澪和に話し掛けてきた。



「は、はい。何でしょうか?」



澪和は言いながら、机の上に置いてあるまだ何も書いていないアンケート用紙を見た。

だが、佐々木の質問はアンケートの事ではなく、



「そっちにさぁ、永利君いない?」


「え?」


「昨日から行方不明らしいんだよね。永利君の家から連絡が入ったんだ」


「……西条先輩…が?」



どうやら本題はそっちのようだ。


澪和は自然と手が震えた。
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