イケメン部 〜第1巻〜
……どうしよう…私のせいだ…。

私が一緒に西条先輩の家まで送ってあげなかったから……




そんな澪和に気付いたのか、佐々木が優しい声色で話す。



「多分澪和ちゃんと一緒に帰ったんじゃないかな…って思っただけで…。大丈夫だよ、キミは何も心配しなくていいよ」


「……でもっ」


「大丈夫。…あの永利君だもん。よっぽど変な事には巻き込まれてないよ」



今にも泣き出しそうな澪和を慰めるかのように佐々木は小さく笑う。



「…そう、ですよね……」



澪和も少し励まされ、心が落ち着いた。



「じゃあ、一応澪和ちゃんの家には永利君は来てないって事で。――こんな朝早くにごめんね?…それじゃあ、また学校で………っ!!!!????」



別れの挨拶を仕掛けた佐々木の声が途切れる。
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