イケメン部 〜第1巻〜
真っ赤になりながら顔を背ける西条の姿を見て、



「…………惚れたか」



低く透き通った大人っぽい声が後ろから聞こえてきた。

振り返ると、漆黒の髪を風に靡かせ琴を部屋の隅に片付けている男子生徒の姿が見えた。



「……てっ、テメッ」


「なんだ図星か」


「…………っ!!!」



西条は何も言い返せず少し長めの赤い髪をくしゃっと崩した。
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