イケメン部 〜第1巻〜
御影は小さくため息をつき、



「西条が行方不明になったのは別にお前のせいじゃない」


「でもっ…でも私があの時ちゃんと送っていれば、あんなことには…」



零和はまた下を向く。



「大丈夫、キミは悪くないよ」



城津も零和の頭を2、3回撫で励ます。




…伝統部の皆は温かい……




零和はこの時、伝統部の温かさを改めて実感した。


零和が少し心を落ち着かせた時、騒がしい足音と共に誰かが室内に入ってきた。



「部長っ!大変です!!」



桐神時雨だ。



「どーしたの、時雨君~。そんなに慌てちゃってさ」



血相を変えている桐神に対して佐々木は至って普通に対応する。

桐神は一旦呼吸を整えた後に口を開く。



「…さっ、西条君がっ、き、来ました…!」


「……………ッ!!!???」



その言葉にその場にいた全ての人が驚愕した。
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