イケメン部 〜第1巻〜
「……っ、責めてなんかないっすよ!全然っ、ほんとにっ」



西条は全力で言葉を発する。



「だろうな」



楠見は笑みを溢し、西条に背を向けた。



「……っ」



澪和の気持ちは複雑だった。

確かに勝手に付いてきた西条も悪いが、家までとは言わずとも最寄り駅に近い駅まで送っていけば済む話だったからだ。

そんな澪和の心を読み取ったのか、城津は零和の頭を撫でてきた。

見上げると、彼は優しい笑みを浮かべていた。



「……っ」



その二人の様子を恨めしそうに見ている影が2つ。
< 56 / 130 >

この作品をシェア

pagetop