イケメン部 〜第1巻〜
「……ぶ、部長っ!!??」


「…ん?誰このコ?可愛いんだけど」



澪和の存在に気付いた部長が近づいてくる。



「……っ!!」



それを見て真っ先に間に入ったのは…



「部長っ、怖がってますって!!」


「え~、何、永利君。もしかして嫉妬~?」



西条永利だった。

西条はボッと赤くなり、その後首を振る。



「しっ、嫉妬なんかしねぇよ…あ、じゃねぇ、しませんよ」


「そんな真っ赤な顔して反論されても説得力ないんだけど」



反論する西条をニヤニヤしながら見る部長。



「くそっ……!」



西条は彼から目を離した。

状況が飲み込めない澪和に、部長がすっと手を差し出す。



「はじめまして。入部したいのかな?」



優しい微笑みに安心した澪和は頷く。



「はい。伝統部に入りたくて」



その言葉を聞き、部長の顔はますます明るくなる。
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