イケメン部 〜第1巻〜
肆の章
其ノ壱
伝統部は部員全員が集まってから活動をスタートする、や、何時からどんなことをする、等の決まり事が特にないので、部長の佐々木が不在でもかなり順調に事が進んでいた。
5月の生温い風が窓から入ってくる。
「おぃ、西条。窓を閉めろ」
窓のすぐ傍で琴をひく準備をしていた御影が物凄い形相で西条を睨む。
「あぁ?何でだ?」
西条は制服の裾をまくり、欠伸をしながら問う。
「こんな生温い空気に触れたら、琴が湿気ってしまうからに決まっているだろう!!」
御影は普段の冷静な様子とはうって変わって、部室内が震えるほどの怒鳴り声をあげた。
澪和はその様子にひどく驚き、傍にいた城津の制服の裾にしがみついた。
5月の生温い風が窓から入ってくる。
「おぃ、西条。窓を閉めろ」
窓のすぐ傍で琴をひく準備をしていた御影が物凄い形相で西条を睨む。
「あぁ?何でだ?」
西条は制服の裾をまくり、欠伸をしながら問う。
「こんな生温い空気に触れたら、琴が湿気ってしまうからに決まっているだろう!!」
御影は普段の冷静な様子とはうって変わって、部室内が震えるほどの怒鳴り声をあげた。
澪和はその様子にひどく驚き、傍にいた城津の制服の裾にしがみついた。