イケメン部 〜第1巻〜
「おゃおゃ…」



城津は澪和が隣に来たことを知り、振り向く。



「み、御影先輩ってあんな人でしたっけ…?」



恐る恐る訊ねる澪和に、城津は少し呆れたような顔をして、



「琴の話になると、いつもああなるんだ。全く、仕方ないね」



首を横に振った。

澪和は、そうですか、と短く返答し、城津の影からまたそっと二人の様子を窺った。

西条は御影が怒鳴ってもまだ欠伸をしている。

御影はというと、琴を片付け、西条に背を向け此方に歩いてきている。




…えっ、此方にくるの!?




澪和はより一層、城津の制服を握る手に力を入れた。

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