イケメン部 〜第1巻〜
其ノ弍
貴重な一日が終わった。
楠見の引退まであと残り一日一。
伝統部の雰囲気はいつもと何一つ変わらず、明日メンバーの1人がいなくなってしまうなんて、考えられないような状態だ。
澪和はと言うと、楠見の引退が気になり部室に来てからずっとそわそわしている。
「澪和ちゃん、どうしたの?今日、体調悪い?」
落ち着きがない澪和を見て、佐々木が訊ねてきた。
「い、いえ、そういう訳じゃ…」
まさか、楠見の引退が気になるだなんて、楠見本人がいる前で言えるわけがない。
楠見はその事に気付いたのか、チラリと澪和の方を見て、すぐに目をそらした。
「……」
どことなく寂しい。
明日になったら、楠見とは会えない。
こんなにも毎日顔を合わせていたのに…
「……おい」
落ち込む澪和に低い声が振りかかる。
楠見の引退まであと残り一日一。
伝統部の雰囲気はいつもと何一つ変わらず、明日メンバーの1人がいなくなってしまうなんて、考えられないような状態だ。
澪和はと言うと、楠見の引退が気になり部室に来てからずっとそわそわしている。
「澪和ちゃん、どうしたの?今日、体調悪い?」
落ち着きがない澪和を見て、佐々木が訊ねてきた。
「い、いえ、そういう訳じゃ…」
まさか、楠見の引退が気になるだなんて、楠見本人がいる前で言えるわけがない。
楠見はその事に気付いたのか、チラリと澪和の方を見て、すぐに目をそらした。
「……」
どことなく寂しい。
明日になったら、楠見とは会えない。
こんなにも毎日顔を合わせていたのに…
「……おい」
落ち込む澪和に低い声が振りかかる。