イケメン部 〜第1巻〜
「……連絡来ないね」



伝統部の部室でポツリと佐々木が呟いた。



「遅いですね。昼には終わってるはずなのですが」



御影はコーヒーを片手に、柄にもなく焦りの表情を浮かべる。



「もう5時を回りましたからねぇ…」



城津は時計を仰ぎ見る。




…連絡が来ない




楠見が音信不通になったのだ。



「大会が終わったら、部室に来るって行ってたから、まぁ薙早の事だし、ちゃんと来るはずだよっ」



佐々木は暗いムードの部室内を元気づけようと、必死に笑顔で皆に向かって話しかける。

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