オレの隣で恋を知って
ボソボゾと何かをつぶやくユウ。
『え、なに?』
「…なんでもない」
「ああああぁぁぁああムカつくッ」
情緒不安定ですか。
『太陽に脳までやられちゃった?』
「誰のせいだと」
『私でもないでしょ』
「…はぁ」
ため息混じりに呆れた顔をするユウ
「背中、塗ってあげるから後ろ向いて」
『ありがと〜』
『陽太くんね、さっき私が日焼け止め塗ってってお願いしたら、自分が塗ってもらうって勘違いしてんの、可愛いくない?(笑)』
「…え、うんちょっとまって情報が追いつかない、え??」
え、私そんな驚く話した?
『まぁでも塗ってくれなかったからユウにやってもらってるんだけどね』
「え、ちょっ、え??」
『え?なに?』
「…おい、ちぃ、やっていいことと悪いことがあるぞ」
『え、なんで怒ってんの?』
「普通は告ってきたやつにそんなお願いしない」
『そーなの?でもたまたま近くいたし』
「ちぃ。まじでそういうことやめて、男はそんなこと頼まれたら勘違いすんだよ」
『…じゃああの時、陽太くんに失礼な発言したのか。申し訳ない』
気持ちを弄んだみたいに思っちゃったかな。
本当に、反省しなきゃ。
「ちぃは、人との距離感もっと考えるべきだ」
マジ焦るわ、なんて言ってパーカーをかけてくれるユウ
「…体、どこもさわらせてないよな?」
『?うん』
塗ってもらえなかったって言ってんじゃん。
『陽太くんに謝らなきゃ』
「いや、いい。大丈夫…俺から言っとくよ」
『自分で言えるよ』
「ちぃが、そういうのに疎いってこと他者から伝えたほうがいいだろ」
『…そういうもん?そこまでユウにしてもらわなくても』
「いいから。だからもうこの話終わり」
『わかった。ユウ一緒に海入りに行こっ』
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「あいつまじでやばいこんなこと他の奴にも頼むのかよ、ちゃんと色々教えていかないとまじでやばいな俺そろそろキャパが…あああああああ」
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ゆっくり恋をしってもらいたいなんて言っている場合ではないと今回のことでめちゃくちゃ思った佑でした。