ペンダント~夢からわかる過去の真実~
「は、離してください!」
私が勢いよく手を振り払い、なんとか離させた。
男の人はびっくりした顔をしていたけれど、実際その顔をしたいのはこっちのほうだ。
「なにやってるんだよ桜。はやく病院戻るぞ?」
もう一度私の腕を握ろうとしていたけれどもかわした。
「ちょっと待ってください!私のはなしを聞いてください」
「そういやなんで敬語なの?」
「初対面だからですよ!いいですか?私は桜なんかじゃありませんし、病院にもお世話になっていません。なんでこの病衣を着ていたのかは説明できませんが...。とにかくこれがいちばん重要です!'私はあなたとの面識は一切ございません'。」
私が言い張ると男の人はなぜか瞳を潤ませていた。