Past Life 〜生まれ変わりだとしても〜
三年三組の教室の前に行くと、またしても張り紙がされていた。
今度は席順の張り紙の様だ。

博紀は紙を覗き込む。
席は……一番後方の窓際か。
今の彼にとっては一番居心地のいい場所だった。

ただひとつ、隣が恵子であることを除けば。

またもや嬉しそうにしている恵子を横目に席へと向かった。

教室の中に入っても、話題はクラス分けで持ちきりである。

出来るものなら話題に入りたい……。
しかし……。

博紀は、ふつふつと湧いてくる気持ちを必死に押し殺し、席に着くのだった。
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