Past Life 〜生まれ変わりだとしても〜
その時からというもの、断片的な記憶が原因で周囲の人々を驚かせてしまうことが頻繁に起きるようになった。

家族をはじめ、親戚や友人。
みんながその不思議な現象に戸惑い、その度に化け物を見るかの様な視線を博紀に送った。

そしていつからか、博紀は自ら心に鍵をかけて、殻の中に籠るようになっていった。

一人で過ごすことが多くなった博紀は、暇を潰すために読書を始めた。
その最中、とても懐かしい気分がした。
きっと、昔の……『前世の自分』も読書が好きだったんだろうな。
博紀はそう感じていた。
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