Past Life 〜生まれ変わりだとしても〜
相変わらず重たい足取りの博紀。
実をいうと、原因は新年度というだけではなかった。
ため息の内、数回分はアイツに対しての……

「おーーーい、博紀ーーーー!」

学校へと向かう進行方向の後方から、博紀の名を呼ぶ声が聞こえてきた。
当の博紀は後ろを振り向くどころか、返事もしない。

その理由として、一つは振り返らなくても誰かわかっているということ。
そしてもう一つは、博紀が苦手としていた人物だったからだ。

博紀は更に大きなため息を一つついた。
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