Another 姫☆組 (姫シリーズVol.3) 【完】
「・・・・」
仕事は順調だ
今回、1週間家を空けるのは、上海で開かれるコレクションの招待モデルとして・・
二つのブランドを掛け持ちで、ショーに参加する
りんとは・・順調だ
多分・・・・
毎日、メールは欠かしてない・・
毎日、声も聞いている
もちろん、ケンカもしていない・・
ただ、ここ2週間会っていないからか、ガクは少し不安だった
そして、明日から1週間、上海・・
確実に会えない・・
というか、電話も出来ないかもしれない・・
「独り言なんだけどさ~ 今日、りんちゃん山の手球場で始球式なんだって~ 超ミニらしいよ~ 衣装のユニフォーム~」
「・・・・・・」
ガクをチラチラ見ながら姫花の独り言は続く
「それも~ 「りんのファンです」って公言しまくっているイケメン投手にピッチング指導してもらうらしいよ~ やばいよね~ ボールの握り方とかさ~ フォームとかさ~ 手取り足取り・・なのかな~ は~ コレって全部独り言なんだけどね~」
と大声で話しながら、姫花はリビングを後にした
ガタガタッ ダダダ バタンッ
姫花が廊下の端で見ているなんで気づくはずのないガクは、慌てて家を飛び出したのだ
「あ~あ~ どうするよ・・・」
リビングに戻った姫花が手にした、上海行きのチケットの搭乗時刻まであと6時間