Another 姫☆組 (姫シリーズVol.3) 【完】
それから数日が過ぎ、塾の夏期講習を終えた俺は、夕飯の匂いが漂い始めた住宅街を歩いていた

「よぉ!」

ふと声を掛けられた先を見ると、従兄弟のヒロくん

「慧、元気か?」

従兄弟のヒロ君は、俺のあこがれ

一つしか変わらないのに、勉強も出来るし、喧嘩も強い… 俺とは雲泥の差

「塾か?」

ヒロくんの問いに縦にうなずいた

「たまには、息抜きも必要だぞ… 携帯だけ持って、後は置いてこい!」

ヒロくんに言われるがままで

ヒロくんはうちの両親から絶大なる信頼を得ているから、夕方からの外出でも、母親は笑顔で送り出してくれた



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