Another 姫☆組 (姫シリーズVol.3) 【完】
「おはよう」

咲が歩いていると、いつもの交差点に立っている彼

石田君

いつも・・なんてもうかなり前から・・みたいだけど、本当は4日前から・・

石田くんって、普通科の中でもちょっと目立ってる感じの男の子

私みたいに地味で普通な女の子なんか、相手にしないような感じなのに、先週の金曜日の放課後、図書室で話しかけられて、ケー番とアドレス交換して、その週末に沢山メールして、ちょこっと電話して、明けた月曜から一緒に登校しているから、石田くんと知り合ってちょうど今日で1週間なんだ

髪の毛をツンツン立てて、切れ目の石田君・・

かっこいい・・・

「ん?」

咲の視線に気がついた石田が、咲を見下ろす

「え? あっ・・いや・・・」と咲は顔を真っ赤にして思わず、石田から視線を外した

「ねぇ・・ 俺と付き合ってよ」

「え?」

咲は外した視線を再び戻した

「ダメ?」

「え・・あっ・・いや・・え~っと・・ よろしくお願いします・・」と咲は石田に頭を下げた

「アハハッ! 咲ちゃん、おもしろ~ こちらこそよろしくね」と言い石田は咲に微笑みかけた

「はい・・」咲もそんな石田に笑顔を見せる

「じゃ、コレ」と差し出される手

「え?」戸惑う咲

「俺等、カレカノじゃん!」そう言って石田は咲の手を取り、ふたりは初めて手を繋いで登校した

「じゃあ、昼休みに講堂でね」と石田と咲はお昼休みを一緒に過ごす約束をして、昇降口で別れたのだった



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