Another 姫☆組 (姫シリーズVol.3) 【完】
今日は仕事が入っていないから、一日学校に行ける

教室に入ると、咲が笑顔で「おはよ~」と手を振ってきた

「おはよ~ 何見てるの?」

私は、咲の机に広がっている雑誌に視線を落とした

咲の手にあるのは、アイドル雑誌

「KINGの特集が組んであるんだ~」と咲は嬉しそう

「自分の彼氏じゃん! そんなの読まなくたって、聞きたいことあれば、自分で聞きなよ」

「え~ 姫ちゃん~ そんな事言っていいの?」とニヤける咲

「何?」咲の笑みに眉をひそめる姫花

「ジャーン!!」

と咲は得意げに付箋をつけたページを広げ、姫花に見せた

見開きで写るのは、バイオリンを弾いている日向

は?

ナニコレ・・

なんで、日向がアイドル雑誌なんかに載ってるわけ~

驚きすぎて固まっている私に

「日向さんって、アイドルってわけじゃないけど、この容姿でしょ? 結構若い女の子に人気アルの知ってた? 貴公子とかって呼ばれちゃってんだよ~」と咲は嬉しそうに話し出した

貴公子・・・? 

なんじゃ・・そら・・・

「ほら~姫ちゃん、遠慮しないでね~」

咲は日向のページを切って、姫花に渡した

「インタビュー ちゃんと読むんだよ?」と言い、咲はKINGのページに視線を落とす

姫花の家に一緒に住んでいる日向

どこで仕事かくらいは、お互い把握しているが、ふたりの分野が違うため、その内容までは知らない

音楽専門誌で日向が表紙になるのは、けっこうある

でも、アイドル雑誌に載っていて、バイオリンに興味もないミーハーはだけのオンナノコがファンなんて・・

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