御曹司と婚前同居、はじめます
瑛真はこれからの私たちについてどう考えているのだろう?
私はずっと一緒にいたい。だからこのままここで一緒に暮らそうという言葉を待っている。
てっきり瑛真のことだから付き合ったらすぐにでもそう言ってくると思っていたのに、今日まで待ち望んでいる言葉は貰えずにいる。
やっぱり待っているだけじゃダメよね。仕事の件も含めて、一度きちんと話し合わなくちゃ。
柔らかな陽射しが差し込むリビングで両手に拳を作っていると、テーブルに置いてあった携帯電話が着信音を響かせた。
発信元は瑛真だ。
「もしもし?」
『美和、申し訳ないんだが、急に必要になった書類があるんだ。部屋に置いてあるから会社へ届けてもらえるか?』
小走りで瑛真の部屋に向かう。
パソコンの横に黒色の分厚いファイルが置かれていた。
「分かった。すぐに出るね」
『柏原を向かわせるよりタクシーを使った方が早いから、もうマンションまで手配してある。代金も支払ってあるから心配しなくていい』
「ええ!? 私が家にいなかったらどうするつもりだったの?」
『……こんな真昼間にどこへ出掛けようっていうんだ?』
声が少し低くなった。
「スーパーとか、いろいろあるでしょ」
『……まあいい。とにかく気を付けて来てくれ』
慌ただしく切られた携帯電話をスラックスのポケットへ突っ込み、いつものショルダーバッグを肩からかけて、両腕で大事なファイルを胸に抱えて家を出た。
私はずっと一緒にいたい。だからこのままここで一緒に暮らそうという言葉を待っている。
てっきり瑛真のことだから付き合ったらすぐにでもそう言ってくると思っていたのに、今日まで待ち望んでいる言葉は貰えずにいる。
やっぱり待っているだけじゃダメよね。仕事の件も含めて、一度きちんと話し合わなくちゃ。
柔らかな陽射しが差し込むリビングで両手に拳を作っていると、テーブルに置いてあった携帯電話が着信音を響かせた。
発信元は瑛真だ。
「もしもし?」
『美和、申し訳ないんだが、急に必要になった書類があるんだ。部屋に置いてあるから会社へ届けてもらえるか?』
小走りで瑛真の部屋に向かう。
パソコンの横に黒色の分厚いファイルが置かれていた。
「分かった。すぐに出るね」
『柏原を向かわせるよりタクシーを使った方が早いから、もうマンションまで手配してある。代金も支払ってあるから心配しなくていい』
「ええ!? 私が家にいなかったらどうするつもりだったの?」
『……こんな真昼間にどこへ出掛けようっていうんだ?』
声が少し低くなった。
「スーパーとか、いろいろあるでしょ」
『……まあいい。とにかく気を付けて来てくれ』
慌ただしく切られた携帯電話をスラックスのポケットへ突っ込み、いつものショルダーバッグを肩からかけて、両腕で大事なファイルを胸に抱えて家を出た。