御曹司と婚前同居、はじめます
絶対に私の言い分の方が正しいはずなのに、何故かこちらが委縮してしまうのは、瑛真がずっと威風堂々としているせいだ。


「美和は俺と結婚するつもりがないと言いたいのか?」


さっきからそう言っているじゃない! 察してよ!

今にも飛び出しそうな言葉を喉の奥で必死に留める。


「逆に聞くけど、瑛真は本気で私と結婚したいの?」

「俺は美和と結婚すると言われて育ってきた。今さらキミ以外に考えられない」

「生涯を共にする相手を親に言われて決めるなんて信じられない!」

「願ったり叶ったりだ。美和は俺の初恋相手だからな」

「はい!?」


唐突に告白をされて思わず変な声が出てしまった。

そこでお父さんが陽気に笑う。


「瑛真くんは本当に真っ直ぐな子だなぁ。今どきここまで一途な子はいないんじゃないか?」


一途? さっき遊びの一つや二つって言っていなかった?


「お褒めいただきありがとうございます」


瑛真は微笑を浮かべる。
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