御曹司と婚前同居、はじめます
◇
瑛真を見送ってからすぐに身支度を済ませて家を出た。
今日はおばあちゃんの施設に行こうと前々から決めていたんだ。
おばあちゃんの部屋の扉は珍しく閉じられていて、ノックをしても返事がない。
「おばあちゃん? 入るよ?」
もしかして寝ているのかな?
ゆっくりと扉をスライドさせると、おばあちゃんはリクライニングベッドを起こした状態で窓外を眺めていた。
「おばあちゃん?」
近寄って声を掛けると、ようやく私の存在に気付いたようで、驚いた顔の後に朗らかな笑みを浮かべた。
「いらっしゃい」
「日向ぼっこしていたの?」
「そうだねぇ」
おばあちゃんは目を細めてまた窓外を見やる。
思っていたより顔色も良いと安堵したけれど、
「最近眠たくて仕方がないんだよ」
おばあちゃんの言葉に胸を突かれる。
眠たくなるのは認知症特有の症状だ。それなりに覚悟はしていたけれど、それでもやっぱりショックは大きい。
瑛真を見送ってからすぐに身支度を済ませて家を出た。
今日はおばあちゃんの施設に行こうと前々から決めていたんだ。
おばあちゃんの部屋の扉は珍しく閉じられていて、ノックをしても返事がない。
「おばあちゃん? 入るよ?」
もしかして寝ているのかな?
ゆっくりと扉をスライドさせると、おばあちゃんはリクライニングベッドを起こした状態で窓外を眺めていた。
「おばあちゃん?」
近寄って声を掛けると、ようやく私の存在に気付いたようで、驚いた顔の後に朗らかな笑みを浮かべた。
「いらっしゃい」
「日向ぼっこしていたの?」
「そうだねぇ」
おばあちゃんは目を細めてまた窓外を見やる。
思っていたより顔色も良いと安堵したけれど、
「最近眠たくて仕方がないんだよ」
おばあちゃんの言葉に胸を突かれる。
眠たくなるのは認知症特有の症状だ。それなりに覚悟はしていたけれど、それでもやっぱりショックは大きい。