御曹司と婚前同居、はじめます
そうまでして美和に与えてきた自由を俺が奪っていいはずがない。
目の前に美和がいて触れない自信などなかった。触れてしまえば最後。欲を抑えられなかっただろう。
俺もおじさんと同様に美和には普通の学生生活を送らせてやりたかったし、おじいさんとおばあさんとの生活を奪いたくはなかった。
その想いが大きな壁となって立ちはだかり、結局、こんなにも長い間美和を遠くから眺める羽目になったのだ。
その点だけでいえば、おじさんの言うように俺は一途なのかもしれない。
「そういえば、美和に後継者の話をされていないようですね」
「ん? あれ? そうだっけ?」
おじさんはキョトンとした。
この人はたまにこういう天然な部分を見せてくる。
俺とのことを美和へきちんと説明していなかった時は、さすがに勘弁してくれと思った。
「口には出さないですけど、かなり気にしていると思いますよ」
「それは悪いことをしたな。瑛真くんから話しておいてもらえるか?」
「いいですけど、ご自身から話されないんですか?」
「別に誰から話しても同じだろう」
まあ、確かに。
「分かりました。帰ったらすぐにでも話しておきます」
おじさんは膨れた腹をさすりながら「ああ」と頷いた。
目の前に美和がいて触れない自信などなかった。触れてしまえば最後。欲を抑えられなかっただろう。
俺もおじさんと同様に美和には普通の学生生活を送らせてやりたかったし、おじいさんとおばあさんとの生活を奪いたくはなかった。
その想いが大きな壁となって立ちはだかり、結局、こんなにも長い間美和を遠くから眺める羽目になったのだ。
その点だけでいえば、おじさんの言うように俺は一途なのかもしれない。
「そういえば、美和に後継者の話をされていないようですね」
「ん? あれ? そうだっけ?」
おじさんはキョトンとした。
この人はたまにこういう天然な部分を見せてくる。
俺とのことを美和へきちんと説明していなかった時は、さすがに勘弁してくれと思った。
「口には出さないですけど、かなり気にしていると思いますよ」
「それは悪いことをしたな。瑛真くんから話しておいてもらえるか?」
「いいですけど、ご自身から話されないんですか?」
「別に誰から話しても同じだろう」
まあ、確かに。
「分かりました。帰ったらすぐにでも話しておきます」
おじさんは膨れた腹をさすりながら「ああ」と頷いた。