御曹司と婚前同居、はじめます
あとは……ここか。

残された一部屋の扉を開けると、そこにはホテルの一室を再現したかのような光景が広がっていた。

白壁に木製家具を取り入れた癒される空間のリビングと違って、この部屋はグレイッシュの壁にインテリアは全てダークな色合いで統一されている。

大人の、それこそ瑛真のような高貴な人間に似つかわしい部屋だ。

これは私の為に用意されたわけではなく、瑛真が寝室として使用するために揃えられたものな気がする。

存在感たっぷりのキングサイズのベッドの側に置かれているお洒落なスタンドライトは、シンプルなインテリアのアクセントになっている。

その他には一人掛けのリクライニングソファとテーブルがあった。

この部屋も瑛真が寝室として使っている部屋と同様にとてもシンプルなものだった。

物が多いのを嫌う人なのかもしれない。

これだけ素敵な部屋があるのならこっちを使用すればいいのに。本当にもったいない。
< 44 / 200 >

この作品をシェア

pagetop