御曹司と婚前同居、はじめます
無性に心細くなり、壁際に座り込んで小さく丸まった。
しばらくそうしていると玄関から物音が聞こえた。
ハッとして立ち上がったタイミングで瑛真がリビングに入ってきた。
「何をしているんだ?」
点になった目で見つめられる。
雷が怖くて壁にくっついていたなんて恥ずかしくて言えるわけがない。
「あ、えっと……お、おかえりなさい」
「ただいま」
瑛真はふわりと微笑んだ。
そこでまた辺りが光った。
僅かに肩を揺らした私に目ざとく気づいた瑛真は、
「ああ、怖かったのか」
流れるような所作で私を抱き締めた。
「ちょっと!」
腕の中で身体をよじっても、相変わらずびくともしない。というか、片腕脱臼している人を本気で押し退けることが出来ない。
「一人にして悪かった」
慣れない場所でずっと気を張っていたせいか、瑛真の温もりがとても心地良く感じる。
こんなのまるで子供みたいじゃない。
自分の行動に恥ずかしさを覚えて、真っ赤になりながら「離して」と声を絞り出したけれど、瑛真は腕の力を弱めてくれない。
しばらくそうしていると玄関から物音が聞こえた。
ハッとして立ち上がったタイミングで瑛真がリビングに入ってきた。
「何をしているんだ?」
点になった目で見つめられる。
雷が怖くて壁にくっついていたなんて恥ずかしくて言えるわけがない。
「あ、えっと……お、おかえりなさい」
「ただいま」
瑛真はふわりと微笑んだ。
そこでまた辺りが光った。
僅かに肩を揺らした私に目ざとく気づいた瑛真は、
「ああ、怖かったのか」
流れるような所作で私を抱き締めた。
「ちょっと!」
腕の中で身体をよじっても、相変わらずびくともしない。というか、片腕脱臼している人を本気で押し退けることが出来ない。
「一人にして悪かった」
慣れない場所でずっと気を張っていたせいか、瑛真の温もりがとても心地良く感じる。
こんなのまるで子供みたいじゃない。
自分の行動に恥ずかしさを覚えて、真っ赤になりながら「離して」と声を絞り出したけれど、瑛真は腕の力を弱めてくれない。