御曹司と婚前同居、はじめます
落ち着かない。このソファもこの丸テーブルもいくらするんだろう?
私を挟んで左に瑛真、右にお父さんが座った。
瑛真の秘書かなにか知らないけど、お付きの男性は私たちの飲み物を手配した後、瑛真が腰掛けているソファのそばに綺麗な姿勢で立っている。
もうこの光景だけで気後れしてしまう。
「こう見えて、左肩が脱臼しているんだ」
言われて、改めて瑛真の左肩を見つめる。
仕立ての良いスーツの袖から出ている両手は膝の上でしっかりと組まれている。左肩が下がっているわけでもないし、不自然な部分は見受けられない。
「三角巾で吊らなくてもいいの?」
「それじゃあ仕事にならない」
「脱臼を甘くみちゃダメだよ。きちんと治療しないと後々癖になって後悔するよ? それに、痛いでしょ?」
瑛真はふっと笑う。
「美和は優しいね。でも大丈夫。包帯で固定してあるから」
腕を軽く持ち上げ、
「ほら。固定しているから可動域が狭い」
上下左右に動かした。
その範囲は瑛真の言う通りかなり狭い。たぶん、自身の顔も触れないと思う。
私を挟んで左に瑛真、右にお父さんが座った。
瑛真の秘書かなにか知らないけど、お付きの男性は私たちの飲み物を手配した後、瑛真が腰掛けているソファのそばに綺麗な姿勢で立っている。
もうこの光景だけで気後れしてしまう。
「こう見えて、左肩が脱臼しているんだ」
言われて、改めて瑛真の左肩を見つめる。
仕立ての良いスーツの袖から出ている両手は膝の上でしっかりと組まれている。左肩が下がっているわけでもないし、不自然な部分は見受けられない。
「三角巾で吊らなくてもいいの?」
「それじゃあ仕事にならない」
「脱臼を甘くみちゃダメだよ。きちんと治療しないと後々癖になって後悔するよ? それに、痛いでしょ?」
瑛真はふっと笑う。
「美和は優しいね。でも大丈夫。包帯で固定してあるから」
腕を軽く持ち上げ、
「ほら。固定しているから可動域が狭い」
上下左右に動かした。
その範囲は瑛真の言う通りかなり狭い。たぶん、自身の顔も触れないと思う。