御曹司と婚前同居、はじめます
「美和さんのことは聞いているよ。瑛真の許婚でしょ?」
「いや、その……」
「そうだ」
言い淀んでいると瑛真が勝手に答えてしまった。
「美和さん知ってる? 俺にも美和さんと結婚できる資格があるんだよ」
「またその話か」
――え? 『また』って?
「二人が許婚になったのは俺がまだ四歳の頃だからね。六歳の瑛真が先に自分の許婚にするって言い張ったから流れでそうなっただけだろ? 俺にも主張する権利はあると思うんだけどなぁ」
にこやかに話す従兄弟を、瑛真は冷ややかな目で見ている。
従兄弟だけど、だいぶタイプが違うなと思った。
というか、そんなやり取りがあったなんて聞いていない。
六歳ってことは小学校一年生くらい? そんな小さい頃の発言に有効性はあるの……?
それにこの人、さっきから聞き捨てならないことを言っている。
私と結婚したいって思っているの? 会ったこともなかったのに?
「もう決まったことだ。いまさら何を言っている」
「美和さんは納得しているの?」
正直この件に関しては、きちんと考えなければいけないと思いながらも後回しにしている節がある。
それは、瑛真に対する自分の気持ちがまだよく分からないからだ。
「いや、その……」
「そうだ」
言い淀んでいると瑛真が勝手に答えてしまった。
「美和さん知ってる? 俺にも美和さんと結婚できる資格があるんだよ」
「またその話か」
――え? 『また』って?
「二人が許婚になったのは俺がまだ四歳の頃だからね。六歳の瑛真が先に自分の許婚にするって言い張ったから流れでそうなっただけだろ? 俺にも主張する権利はあると思うんだけどなぁ」
にこやかに話す従兄弟を、瑛真は冷ややかな目で見ている。
従兄弟だけど、だいぶタイプが違うなと思った。
というか、そんなやり取りがあったなんて聞いていない。
六歳ってことは小学校一年生くらい? そんな小さい頃の発言に有効性はあるの……?
それにこの人、さっきから聞き捨てならないことを言っている。
私と結婚したいって思っているの? 会ったこともなかったのに?
「もう決まったことだ。いまさら何を言っている」
「美和さんは納得しているの?」
正直この件に関しては、きちんと考えなければいけないと思いながらも後回しにしている節がある。
それは、瑛真に対する自分の気持ちがまだよく分からないからだ。