御曹司と婚前同居、はじめます
「今日は凄く調子が良かったと思う。いつもは……もっと、ちぐはぐなことが多い」
「そうか」
おばあちゃんは認知症だ。
おじいちゃんが亡くなってから発症して、進行は遅いけれど確実に進んでいる。
介護施設での仕事は夜勤もあって不規則な生活を送っていたし、私が家をあける時間も多かった。
両親は相変わらず仕事が忙しいし、常に誰かがおばあちゃんのそばにいてあげることは難しい。
本当はおじいちゃんとの思い出の詰まった家で暮らしたいはずなのに、おばあちゃんは自ら施設に行くと言い出したんだ。
「私はおばあちゃんと、あの家に戻りたいと思っているの」
そのために転職を考えた。
「いいんじゃないか」
まさかそんな返事が貰えるとは思っていなかったので、「えっ」と驚きの声が出た。
だって、瑛真は私との結婚を望んでいるから。
「あのマンションが嫌なら引っ越せばいいと言っただろう?」
「そんなことも言われたような……」
「あの屋敷なら子供が増えても問題なく暮らせるだろうし」
「本気で言ってる?」
瀬織家の跡取りがそんな勝手なこと出来るはずがない。
「そうか」
おばあちゃんは認知症だ。
おじいちゃんが亡くなってから発症して、進行は遅いけれど確実に進んでいる。
介護施設での仕事は夜勤もあって不規則な生活を送っていたし、私が家をあける時間も多かった。
両親は相変わらず仕事が忙しいし、常に誰かがおばあちゃんのそばにいてあげることは難しい。
本当はおじいちゃんとの思い出の詰まった家で暮らしたいはずなのに、おばあちゃんは自ら施設に行くと言い出したんだ。
「私はおばあちゃんと、あの家に戻りたいと思っているの」
そのために転職を考えた。
「いいんじゃないか」
まさかそんな返事が貰えるとは思っていなかったので、「えっ」と驚きの声が出た。
だって、瑛真は私との結婚を望んでいるから。
「あのマンションが嫌なら引っ越せばいいと言っただろう?」
「そんなことも言われたような……」
「あの屋敷なら子供が増えても問題なく暮らせるだろうし」
「本気で言ってる?」
瀬織家の跡取りがそんな勝手なこと出来るはずがない。