白貝と柏木
平穏を取り戻した日だと思ったら、全然違った。

その夜は柏木の唇が頭に浮かんで、ドキドキしてなかなか眠れなかった。

なんで唇…!?と思ったら、私の手からキャラメルナッツケーキを食べる柏木を見て、その唇の感触を知りたいとか思った自分を思い出した。

しかも、自分の、唇で…!

おかしい…!
どうかしてる!今日の私!

頭を抱えて、ベッドの上をごろごろ転げ回った。

そんなこと考えたら、研究と観察の範囲を超えてる…!

それじゃ、まるで…私が柏木を、す、好き、みたいじゃん…!!

いやいやいや!ないないない!
そんなの断じてない!
これはただの好奇心!の、はず…!


あ、あれ…?
なんで断言できないんだろう?

やっぱり私、なんか、変だ…。


20171014
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