白貝と柏木
その夜、夢を見た。
夢の中で、私は無人の学校の廊下に立っていた。
きょろきょろ辺りを見渡して、後ろを振り返ったら、廊下の真ん中に柏木が佇んでいた。
「柏木…」
返事もなく、無言で真っ直ぐにこっちへ進んでくる柏木。
睨むような鋭い目つきで私をまっすぐ見据えたまま、ずんずん近付いてくる。
な、なになになに?
なんで真顔?なんで無言?
もしかして怒ってる??
表情から感情までは読み取れない。
ただでさえ、柏木は、真顔で黙ってるだけで威圧感がある。
迫力に押されて、後退りしていたら、とんっ、と背中が壁に当たった。
はっとしたときには既に柏木の大きな手に後頭部を捉えられていた。
柏木は切れ長の目をそっと伏せながら、顔を近付けて、私の唇に、キスした。
「ひえええぇぇ!!!」
飛び起きた。
ゆ、夢か…!
ほっと胸を撫で下ろした。
けど、心臓はまだどきどきしてる。
なんであんな夢見たんだろう…。
ていうか、今何時…?
ベッドサイドの目覚まし時計を見ると、なんと時計が止まっていた。
寝過ごした…。
目覚まし時計は電池切れだったみたい。
ベッドから抜け出て、リビングダイニングへ行くと、母が淹れたてのコーヒーを手に「声かけたのにちっとも起きないんだもん、あんた」と言った。
コーヒーを受け取って、ゆっくり飲む。
あんな夢を見た後で、教室で柏木の顔を見たら、きっとものすごく気まずくて恥ずかしい。
午前の授業はサボることにした。
夢の中で、私は無人の学校の廊下に立っていた。
きょろきょろ辺りを見渡して、後ろを振り返ったら、廊下の真ん中に柏木が佇んでいた。
「柏木…」
返事もなく、無言で真っ直ぐにこっちへ進んでくる柏木。
睨むような鋭い目つきで私をまっすぐ見据えたまま、ずんずん近付いてくる。
な、なになになに?
なんで真顔?なんで無言?
もしかして怒ってる??
表情から感情までは読み取れない。
ただでさえ、柏木は、真顔で黙ってるだけで威圧感がある。
迫力に押されて、後退りしていたら、とんっ、と背中が壁に当たった。
はっとしたときには既に柏木の大きな手に後頭部を捉えられていた。
柏木は切れ長の目をそっと伏せながら、顔を近付けて、私の唇に、キスした。
「ひえええぇぇ!!!」
飛び起きた。
ゆ、夢か…!
ほっと胸を撫で下ろした。
けど、心臓はまだどきどきしてる。
なんであんな夢見たんだろう…。
ていうか、今何時…?
ベッドサイドの目覚まし時計を見ると、なんと時計が止まっていた。
寝過ごした…。
目覚まし時計は電池切れだったみたい。
ベッドから抜け出て、リビングダイニングへ行くと、母が淹れたてのコーヒーを手に「声かけたのにちっとも起きないんだもん、あんた」と言った。
コーヒーを受け取って、ゆっくり飲む。
あんな夢を見た後で、教室で柏木の顔を見たら、きっとものすごく気まずくて恥ずかしい。
午前の授業はサボることにした。