白貝と柏木
学校前のバス停。
駅へ向かうバスが走ってくるのが見えて、カバンを探る。

「あれ?」
「なに、どした?」
「や、大丈夫…確かここに…あっれぇ??」
「財布忘れた?お金貸す?」
「財布はあるんだけど…定期がない」
「定期?」
「あぁ〜、きっと机に置いてきたんだぁ…学校戻ってみる〜」
「一緒に行こっか?」
「大丈夫、瑠璃ちゃん今日塾でしょ?先帰って〜」
「気をつけてよー?走って転んだり、車に轢かれたりしないでよ?」
「瑠璃ちゃん心配しすぎだよぉ」
「だってぼーっとしてんだもん、あんた。あ、バス来たから行くけど、ほんと気を付けてね?」
「はぁい。じゃあまた明日ね!」

瑠璃ちゃんと別れて、学校へ引き返した。

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