追憶Snap*Shot








「寒くない……わけもないよなぁ……
ごめんな?
オシャレしてきてもらった上に寒そうな格好で……」


「いいのっ。
あたしが着たい服を着ただけだし。
翔悟が褒めてくれたら……もっと嬉しい……かな……っ」




理想通り雪の降ったホワイトクリスマス。


頬を朱く染めながら小さい声で呟く麻衣はいつも以上にキラキラして見えた。


好きすぎて重症。
うん、知ってる。




ツリーの周りにも人気は減っていって。


おまけに雪も降っているから辺りはとてもシンとしていて麻衣の小さな声でもよく聞こえた。





「麻衣は本当に何でも似合う……けど。
今日は……一番だな」


「や、やっぱり恥ずかしいからもう言わなくていいよっ……」


「やーだ」





“2014.12.25 White Christmas”


また沢山、麻衣との写真が増えた。

それは2人で生きていた時間の数々。


1つとして同じものは無いかけがえないもの。



今よりもう少しだけ大人になれたら……


オレはこの日にこの場所でプロポーズをしよう。



麻衣と手を繋ぎながら見上げたツリーを見て、オレはそう誓った……




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