私と彼と兄と
兄はよっぽど早く出かけたいのか、勝手に私の服を手に取って、鏡の前でコーデ確認をしている。



「ねぇってば!」



つんつん、と兄の袖を引っ張るが、兄は服選びに真剣で、全然人の話を聞く素振りを見せない。





ほんっと…。

何がしたいの?





私は半ば呆れて、部屋を出て、朝の支度を済ませようとリビングの方へと歩いていった。





「おはよ」


「おはよう」



リビングへ行くと、お父さんもお母さんも、もう起きていて朝食を食べている途中だった。


私も席に座り、一緒に食べていると、急にお父さんが、そういえば…と言って、



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