私と彼と兄と
お店の中は案の定、高級な時計がいっぱいでーーー


とてもじゃないけど私一人じゃ入れないような雰囲気だった。





あぁ、一人で来るのが嫌だったから私とーーー?





一人で納得する。

兄はショーケースの中の時計をじっと見たと思いきや、たまに振り返って私を見る。


何がしたいのかまったく理解できない。



暫くしてから、



「華」


「…ん?」



おいで、と手招きされ、私は兄の方へ駆け寄った。



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