私と彼と兄と
指をさされた方を見ると、とてもかわいい腕時計が飾ってあった。



「…綺麗」



ピンクゴールドの縁に宝石が散りばめられている。

引き込まれるような美しさ。


でもこんなお高いもの、私に似合うわけもーーー



「これ、ください」


「……っ!?」



私がその腕時計を見ている間に、兄が店員さんに声をかけた。


店員さんは、



「かしこまりました」



とだけ笑顔で返事し、ショーケースからピンクゴールドの腕時計を取り出す。





え、え…!?



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