私と彼と兄と
部屋に残された私は机の上に乗ったままの、兄から貰った腕時計をぼんやり眺めた。





…兄妹なのになんで





自然と涙が溢れ出す。

どうすればいいのか、解決策が見つからない。

架純は諦めてもらうしか方法がないって言ってたけど…



「……どうやったら諦めてくれるの」



泣きながらポツリと呟いた。



ーーーと、その時。



ガチャ…



「…っ!!」



私の部屋のドアが開いて、今1番会いたくない相手の兄が顔を覗かせていた。


兄の表情はどことなく寂しそうでーーー



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