私と彼と兄と
✿ 2人
夏休みも終わりに近付いて来た頃ーーー
「今日、夏祭りの日じゃないか」
朝食を食べながらお父さんが呟いた。
……夏祭り
相川くんと行きたかったなぁ…
なんて。
「今、相川と行きたかったとか思ってんだろ?」
「なっ…!!!」
ぽわーっと考えてただけなのに、隣でパンを頬張っている兄から考えている事を見事に当てられ、焦った。
そんな私を見て兄は、少しムッとしながら、
「わかりやすすぎてムカつく」
と言って、プイッと私から顔を逸らしてしまった。
部屋に戻ってスマホを見ると、気が付かない間に架純からLINEが入っていた。
夏祭りのお誘いの件だ。
私は急いで架純と一緒に行きたい!!
と打って、今夜お祭りに着ていく服を選ぶことにした。