私と彼と兄と
浴衣でもいいんだけど、浴衣で夏祭りは、彼氏とがいいからなぁ…
なんて考えながら選んでいると、結局いつもと変わらないようなコーディネートになってしまった。
…まぁいっか。
別に男の子と会うわけじゃないんだし…
心を許せる架純だからこそ。
そう思ってさっそく着替え始めた。
と、その時ーーー
ピーンポーン…
誰かが家に訪ねてきたみたいだ。
そして直後にお母さんの声。
「華ー!お客さーん!」
架純と集合時間を決めてなかったから、きっともう来たんだ!
私は急いで身支度を整えて、階段を降りた。
「ごめんごめん!遅くなっちゃったーーー」
ダッシュで玄関に向かって、謝った先にはーーー
「…よぉ、華。……急に来て悪ぃ」
「相川……くん」