私と彼と兄と
少し恥ずかしそうに髪の毛をクシャっとやっている相川くんがいた。
「えっ、え、どうしてここに…!?」
慌てて駆け寄る。
相川くんは、少し目線を逸らしながら、
「……祭り、一緒に行こうと思って」
「……っ!!!」
照れくさそうにはにかんだ。
嬉しかった。
素直に物凄く嬉しかった。
「…で、でも私、架純と約束してて……」
「……そっか。そうだよな、急に来てこんなの…。悪ぃな、今の無かったことにしてくれ!じゃあな!」
「待って!!!」
気がつくと、立ち去ろうとする相川くんの腕を私はしっかりと掴んでいた。
「…架純に連絡するから……あの…ちょっとここで待ってて」
ポケットからスマホを取り出して、私は急いで架純に今起きたことーーー相川くんにお祭りに誘われたことを送った。
架純の返信は早かった。
「…架純」