私と彼と兄と
「…なんて?」
相川くんが、にょっと私のスマホを覗く。
「私のことは気にしないで楽しんでおいで!…って」
架純から来た内容をそのまま読み上げると、なんだか相川くんは照れくさそうにはにかんだ。
…こういう所、本当にかわいいんだよなぁ
思わず付き合っていた時のことを思い出してしまう。
だってあの時は、お互い嫌いで別れたわけじゃなかったからーーー
二人の間に少し無言の時間が続いた。
…どうしよう、何か話しかけないと気まずい……
「…あのさ」
先に沈黙を破ったのはやっぱり相川くんだった。
「……何でもない」
「…?」