私と彼と兄と



って言ったのに。



ピト…



「…っ!?!?」



急に相川くんの顔が近付いたと思いきや、額と額をくっ付けてきた。

あまりにも急な出来事に頭が混乱して動揺してしまう。



「…あっ、相川…くんっ」


「なに?」


「…なにじゃなくて、その……」



心臓の音が聞こえちゃう…



「熱はないみたいだね」


「……う」



そう言うと、スッと身体を離す彼。





本当はもうちょっとくっ付いていたかったな…なんて。





そんな事、思っていても言えるはずもなくて。

彼はパタパタと手をうちわのように旗めかせている。





なんでそんなに余裕なのよ…





< 80 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop