私と彼と兄と
✿ 告白
辺りもすっかり闇に包まれーーー
「もうそろそろだな」
「うん」
花火が打ち上げられる時間が、刻一刻と迫っていた。
生き生きとした表情の相川くん。
彼の横顔は本当に綺麗だった。
「…?どーした?」
「えっ!?」
あんまりジッと見すぎてたからか、相川くんはクス、と笑いながら私に問いかけてきた。
うぁぁぁ、やっぱり緊張する…
付き合ってた時とはまた違う感覚だった。
両思いになるもう少し前のーーー
まるで、片思いをしていたあの時のような不思議な感覚…
「あ、あと5分」
隣に座ってる相川くん。
腕時計をチラチラと確認しながら、どこか落ち着かない様子だった。