coming call...
花火大会と不安
花火大会。



どこの花火大会かは私には分からない。


でも、綺麗だな…


この時間がずっと続いてくれれば良いのに…




父、母、とその友達と花火大会だ。
私は小さいときから花火が大好きだ。
誰かが予約したのだろう。
屋上から花火が見えて、ご飯が食べれる場所を。
私はこのみんなでいる時間が好きだった。
ずっとずっとみんないられるのならいたいくらい。

私には、一つ上のお姉ちゃんと三つ下の妹がいる。三姉妹だ。
お姉ちゃんは容姿が良く、アイドル気質があるので、大人から人気だ。
妹はまだやっと歩いてやっと話せるくらいだが、容姿は良い。
そんな2人とは逆に私の容姿は最悪で、性格も理屈っぽいせいで、あまり大人からの人気はない。
そんな、姉妹を連れての花火大会、年子ということもあり、私と姉はそこらへんの姉妹よりかは、大分仲が良かった。
もっと近くで花火が見たかった私は、屋上から飛び出した。
1人じゃ危ないからと、姉と妹と父と母の友達もついてきた。
私以外の人はみんなテキ屋目当てだろう。
そんなこんなで、近くで花火を観れた私はご機嫌だった。
私の小学生らしいところと言えばそのくらいだろう。

そして、私の嫌いな別れだ。
楽しかった時間と別れは好きじゃない。
楽しい時間に別れはつきものだ。
仕方ない…
そう思いながら、別れを告げみんなで家に帰った。

花火大会で疲れているはずだが、眠気はない。
最近は、夜の騒音で夜中に目が覚めて本を読み、そのまま朝を迎えることが多かった。
今日はずっと本でも読んでるか…
そんなことを思いながら、お風呂に入る準備をしていると、お父さんが箱ティッシュを犬に投げつけ、キレていた。
遂に爆発したか。
イライラしているのだろう。
テーブルをトントン指で叩いている。
こんな姿を子供には見せたくないのか?


「もう、明日お風呂入れば良いから今日はもう寝なさい」


そう言って、母は私たちを二階へ押し込んだ。

普段、物に当たることない父の姿を見て少し焦りを感じた。
それと同時に、もう父とは一緒にいられないのではないかという不安が頭をよぎった…
私は家族が好きだ。
だから、その不安はどんどん大きくなっていき、涙に変わった。
気付けば私は眠っていた。
疲れていたのか、よく眠れた。



久しぶりの気持ち良い朝だった。
昨日の、不安ももう無くなっていた。






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