さまよう爪
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次の日。
美容室は入っているビル着いていた。
見るからに清潔そうな建物。
それもそのはずでここは2年程前に建ったのだ。
無事にたどり着けたと安心する。
スマホの地図を見ずに済んだ。
ビルの入り口が見えた。扉もなくトンネルの様になっている中に入る。
(こういう場所を玄関ポーチって言うんだっけ?)
ポーチに入って直ぐに案内板がある。「Bellezza」は5階だ。
エレベーターのボタンを押す。
すると2機あるエレベーターのうち左側のものがすぐに来た。
乗る。5階のボタンを押す。エレベーターの扉が閉じて上昇する。
少し緊張しなくもない。初めての店だから。
5階に着いて扉が開く。エレベーターを降りて受付に向かう。
木を使った内装が目を惹く。
床はナチュラルな色で、壁や受付のカウンターは質の良い木材に何回もニスを塗った様に深い黒色をしている
予約していた時間より僅かに早く着いた。
スムーズに行けばちょうど良い時間だ。
受付を済ませて椅子に座っていると数分で名前を呼ばれる。
美容室のメインスペースに向かって歩く。
(こういうインテリアって何調って言うんだっけ?)
白い壁に並ぶ長方形の大きなガラス窓からはあたたかな陽が入っている。
アンティークを思わせる重厚な木材を使った家具や鏡台。
大きなライトが着いた天井は白く塗られて統一されたパイプなどが剥き出しになっている。
だからだろうか、大きな窓と合わさってビルの中だというのに開放感がある。
良いじゃないか。
そういえば家にトイレットペーパーの控えがないことを思い出した。
帰りに買わないと。何で今のタイミングで思い出したかは自分でもよくわからない。